Topics & Lifestyle 空閑晴美 コラム

ゲストブックとディナー

ダイニングの模様替えを機にゲストブックを作り直そうと思い、ロンドンのスマイソンに注文をしました。
すでにセラーブックを持っていましたので、それにあわせて同じ字体の名前を入れてもらうことにして注文しました。

楽しみに待っていましたが、期待とおりの格調のある黒い皮表紙のゲストブックが届きました。

まだほとんど白いままのページ、これが少しずつ埋まって、楽しい思い出が沢山出来る事を祈って、最初のページにはブリア・サヴァランの名言を“誰かを食事に招くということはその人の自分の家にいる間の幸福を引き受けること”と書きました。

そしてこのゲストブックの1ページ目になる記念すべきディナーをしましたのでその準備を少し書こうと思います。
ゲストは6人、私の料理を召し上がって頂くと言う事になりますので、準備は少しずつ早めにしておきました。
教室の時はスタッフが下準備はしてくれますが、一人でしますのでそれを充分に考慮してメニューを作ります。

今回はメインコースは比内地鶏とモリーユのヴァン・ジョーヌソース、スターターは活けじめの鯛を昆布でしめて軽くスモークしたもの、ハマグリのコンソメジュレ、デザートは栗のパルフェにしました。
カクテルタイムのおつまみはパルミジャーノの焼きたてパイと小豆島のオリーヴと決めました。
メニューが決まれば特別な食材は早めにオーダーしておきます。
教室の準備と同時にコンソメを作っておくとか、パイ生地、ジェノワーズなども作って冷凍庫に、早め早めに出来る事はしておきます。
当日はゆとりを持って準備しないと疲れ果てて、楽しめません。

前日に買い物、掃除、リネン類にアイロンをかけ、テーブルのセッティング、料理の下拵えなどは済ませておきます。
お花のアレンジをして涼しいところに、氷も多めに作っておきます。

当日は料理をしながらシャンパーニュを冷蔵庫に、ワインは温度を適正にするため置き場所を工夫しますが、難しいのは食事の流れによってはワインが変わることです。
それも想定してワインは何種類か用意します。
今回もメインにはソースに使ったワインと同じヴァン・ジョーヌをお出ししました。
問題はその後、私はブルゴーニュ、シャンボールミュジニーを考えていました。
しかしヴァン・ジョーヌが思ったより個性的でその後がブルゴーニュでは難しい・・・
迷いました。
そこでゲストの一人に相談、ヴァン・ジョーヌと同じ生産者のアルボアのピノ・ノワールに変更、食後酒もお好みがあるので、デザートに合わせてソーテルヌは冷やしておきますが、他にも甘口シャンパーニュやコニャックなども準備しました。

1時間くらい前にシャンパーニュをクーラーに、そしてキャンドルに火をつけます。
玄関のドア前に3段階段があるのでそこに3つ、トイレに香りのもの、テーブルはティーライトを6個用意しました。

私はホステスですから、テーブルを離れるのは失礼、しかし料理が仕事の私、了解を得て、席もキッチンに近い席に座り、立ったり座ったり・・・
ですが料理も飲み物も、サーヴィスも一人では無理、いつもそれとなくゲストに手伝いをお願いする事にしていますが、今回は自然に男性ゲスト二人が積極的に手伝ってくれました。(これが普通!)
使い終わった銀器が布巾をしいたバットに入っていたのには感激、慣れているのですね。
残念ながら二人とも日本人ではありません!!
お皿を運んでくれたり、ワインやお水のこと、他の女性客への気遣いまで本当にスマートに手伝ってくれました。

自宅に招くというのは最高のおもてなし、ですから招かれた方もそれなりのマナーが欲しいですよね。
座ったきり・・・
そういう方時々いらっしゃいます。
レストランと勘違いしているのでしょうね。

美味しい!素晴らしい!との褒め言葉に疲れも感じなくなります。
次の日は全員仕事、食後酒はデザートと共にソーテルヌだけにして、庭で摘んでおいたベルベーヌでティザンヌを作り、ゲストブックにサインして頂いて、11時半には皆さん楽しそうにお帰りになりました。

私はそれからが大仕事、楽しい気配が残っている部屋で、残りのワインを飲みながら片付けるのも嫌いではありません。
3時までかかりましたが。

次の日はリネン類の洗濯、アイロンかけを終えてもとの場所にしまい、今回のディナーパーティは終わりました。
確かに大仕事ですが心から喜んで頂けると私も幸せになります。

画像は空になった瓶、それと洗い上げたグラスや銀器です。