Topics & Lifestyle 空閑晴美 コラム

Coq au vin jaune / ブレス鶏のヴァン・ジョーヌ煮

8月も終わりになった日、酷暑にうんざりして気力も体力もかなり落ちていました。
そろそろ9月のレシピも考えて、仕事の準備をしなくてはとあせっていました。
何よりも気分を変えたくて、以前より計画をしていたディナーを決行しました。

<コック・オー・ヴァン・ジョーヌをヴァン・ジョーヌで頂く>いうディナーです。
コック・オー・ヴァンはブルゴーニュの郷土料理として有名です。
赤ワインで煮込んだ鶏の料理です。今回はブレスの鶏(ブレス地方、AOCの地鶏)を同じ地方の黄色のワイン、サヴァニャン種で作られた独特の香りのワイン、ヴァン・ジョーヌで煮込みました。
モリーユを添えて仕上げます。
先ずは材料調達からですが、ブレス鶏もモリーユもいつも教室の食材を仕入れている業者で扱っています。
しかし何でも値上がりの昨今、モリーユ(今の時期は乾燥しかありませんが)が1kg74,000円!びっくりです!

鶏を丸ごとさばくのも一仕事でしたが今回は理由が有り、煮込むフォンだけは特に気合が入りました。
ゲストにアラン・デュカスでスー・シェフをしていた方でフランス滞在12年、現在はアラン・デュカス・フォルマシオン(辻調とのコラボで様々な形で料理を広めています)のエクゼクティヴ・シェフの小島さんをお呼びしていたのです。
フォンさえきっちり取っておけば後は素晴らしいワインがありますし、フォンですべてが決まります。
この煮込みは一切粉は使わずクリームもバターも最小限にしたかったので、ソースの濃度はフォンのゼラチン質だけです。
フォンが上手く取れていないとソースのこくが出ないのです。
暑さも忘れ真剣勝負、大成功でした。
フォンが美味しいと言って頂け、うれしかったです。

メインがかなり濃厚なのでスターターはさっぱり<トマトのジュとアヴォカドムース>、魚料理は<鯛の昆布締め、瞬間スモーク、バニラとアルガンオイルのドレッシング>、これはゲストのお一人、写真家の南川さんがコルトン・シャルルマーニュをお持ちになるという事でシャルルマーニュに合わせて考えました。
このマリアージュも大成功、デセールは桃をロワールの貴腐ワイン、コトー・ド・レイヨンで煮て、半分はソルべにして仕上げました。
これを同じワインで召し上がって頂きました。
ワインの君嶋屋の君嶋さん、ラ・ヴィネの荻原さん、料理のプロ、数々の素晴らしい作品を撮っていらっしゃる有名な写真家といったゲストですから料理やワインのお話や南川さん撮影秘話(?)も楽しく、真夏の夜の素晴らしいディナーでした。

特に小島シェフのデュカスのレストランでの料理人としての日々の様子、フランスの三ツ星の裏話、デュカスのお人柄などのお話に時間を忘れてしまいました。
かなりのシャンパーニュやワインの瓶が空になり、皆様の<美味しかった>の一言が本当にうれしかった宵でした。

次回のテーマはアルザスに決まりました。
ベイケオファをリースリング、グランクリュで作ります。